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テーマ型調査
「みらリポ2017」

アンケート篇10
連載第7回「子どものメディア接触状況」

2017/12/07 カテゴリ:
アンケート編

本稿では、博報財団こども研究所が重視する「ことばの力」に大きな影響を与えていると考えられる、子どもたちのメディアへの接触の状況についてご報告します。

子どものメディア接触の実態と、"ことば"への影響

本アンケート調査では、子どものメディア接触について、大きく分けて (1) テレビや紙媒体、ゲーム機などの「ハードへの接触状況」 (2) 動画やゲーム、SNSなどの「インターネットコンテンツやアプリへの接触状況」 (3)「メディア別のインターネット全般への接触状況」を聴取しました(図1)

(1) ハードへの接触状況

ほぼ全員が該当する「テレビ(97.3%)」が最も高く、7割超の「マンガ(72.4%)」「ゲーム機(70.5%)」が次点、6割弱の「本(58.6%)」「マンガ雑誌(56.0%)」が続き、それ以外は大きくスコアが落ちて2割以下になるという結果でした。男女別で明確な違いが見られたのは、男子の方が接触率が高い「ゲーム機(男子81.5%/女子59.5%)」、女子の方が接触率が高い「本(女子68.8%/男子48.5%)」「ファッション誌(女子33.3%/男子2.3%)」でした。

(2) インターネットコンテンツやアプリへの接触状況

「動画(58.4%)」「ゲーム(54.8%)」がそれぞれ5割を越え、他は「LINE(29.8%)」「ニュース(18.5%)」「マンガ(13.4%)」「SNS(5.6%)」という結果でした。「LINE(女子38.0%/男子21.5%)」については女子の方が接触率が高く、「ゲーム(男子54.8%/女子54.8%)」については、ハード(ゲーム機)への接触率とは異なり、男女で差が見られませんでした。

(3) メディア別のインターネット全般への接触状況

「スマートフォン・携帯(31.9%)」「タブレット(26.4%)」からのインターネット接触が「パソコン(19.0%)」を上回るという結果でした。「スマートフォン・携帯(女子35.5%/男子28.3%)」については、女子の方が高いという結果でした。

<子ども調査>Q.あなたは、以下のものを、ふだんどれくらい見たり/読んだり/聞いたり/やったりしますか?あてはまるものに、それぞれひとつだけ○をつけてください。(よくする/ときどきする/あまりしない/まったくしない)
図1

ゲームや動画については、接触がある子どもに対しては、タイトルや見ている内容を自由回答で聴取しました。いずれも男女間で回答が大きく異なり、「ゲーム機でのゲーム」は男子「マインクラフト(16.3%)」、女子「どうぶつの森(13.0%)」、「インターネットやアプリのゲーム」は男子「モンスターストライク(28.3%)」、女子「ツムツム(35.6%)」、「動画」は男子「ゲーム実況(21.6%)」、女子「音楽動画(18.6%)」がそれぞれトップでした。

<子ども調査>
Q.あなたがやっている「ゲーム機でのゲーム」の名前をおしえてください。※「よくする」「ときどきする」人のみ回答
Q.あなたがふだん見る「インターネットやアプリのゲーム」の名前をおしえてください。※「よくする」「ときどきする」人のみ回答
Q.あなたがふだん見る「インターネットやアプリの動画や映像番組」の内容をおしえてください。※「よくする」「ときどきする」人のみ回答
図2

インターネットサイトやアプリについては、ポータルサイト・動画サイト・SNSなどの代表的な項目(図2)の接触率も聴取しました。その結果、「YouTube(70.0%)」が突出して高く、ポータルサイトは「Google(29.6%)」「Yahoo!(20.9%)」、ゲームは「LINE以外のゲーム(26.5%)」「LINEのゲーム(24.1%)」と25%前後で、「LINEのメッセージ(26.1%)」も同程度という接触状況でした。

<子ども調査>
Q.以下のインターネットサイトやアプリのうち、あなたがふだん見ているものすべてに○をつけてください。(○はいくつでも)
図3

電子機器については、自分専用のものを持っているかどうかも聴取しました。結果は、「ポータブルゲーム機(73.6%)」が最も高く、その1/3程度のスコアで「据え置き型ゲーム機(24.6%)」が次点、続く通信機器については「携帯電話(23.4%)」「スマートフォン(17.0%)」「タブレット(12.0%)」という保有率でした。男女別に見ると、「ポータブルゲーム機(男子79.8%/女子67.5%)」「据え置き型ゲーム機(男子33.3%/女子16.0%)」とゲーム機は男子の方が専用保有率が高く、「携帯電話(女子28.3%/男子18.5%)」「スマートフォン(女子21.3%/男子12.8%)」と通信機器は女子の方が専用保有率が高いという結果でした。

<子ども調査>
Q.以下のもののうち、あなた専用のものを持っている場合は、あてはまるものすべてに○をつけてください。(○はいくつでも)
図4

そういった接触状況の中、冒頭の (1) ハードへの接触状況 (2) インターネットコンテンツやアプリへの接触状況 (3) メディア別のインターネット全般への接触状況 と同じ項目を用いて、「どのメディアから、いちばんたくさんことばを見たり聞いたりしていると感じるか」も聴取しました。結果は「テレビ(59.5%)」が他を圧倒しており、子どもたちの"ことば"への影響力の強さを感じさせました。テレビと比べると微差ですが、"現代的"な特徴として、「ゲーム機(10.3%)」「インターネット動画(7.4%)」の"デジタルコンテンツ"が、「マンガ(5.6%)」「本(4.3%)」の"活字"をやや上回っていました。男女で回答に差があったのは、他と同様に「ゲーム機(男子15.0%/女子5.5%)」でした。

<子ども調査>
Q.以下の中で、あなたが「いちばんたくさんことばを見たり聞いたりしている」と感じるのはどれですか?あてはまるものにひとつだけ○をつけてください。(○はひとつだけ)
図5

保護者と教員の、子どものメディア接触に対する考え

保護者に対するアンケートでは、小学5・6年生の子どもに対して、ここまで見た"メディア"に該当する電子機器全般の使用に制限を設けているかどうかを質問しました。その結果、何らかの制限を設けている保護者は全体の64.8%で、各電子機器を子どもが普段から使用している場合に、そこに対して制限がある率が高いのは、「ポータブルゲーム機(制限率57.6%/使用率75.2%)」「据え置き型ゲーム機(制限率46.2%/使用率53.5%)」のゲーム機、「キッズ仕様スマートフォン(制限率44.3%/使用率6.1%)」「一般スマートフォン(制限率41.7%/使用率19.2%)」「タブレット(制限率42.2%/使用率30.8%)」のスマート通信機器でした。接触率が最も高いテレビは、使用に制限がある率はスマート通信機器の約半分で21.2%でした。

<保護者調査>
Q.以下のものの中から、お子さまが普段お使いのものを全てお答えください。
Q.お子さまが普段お使いのものの中で、使用時間に制限を設けているものを全てお答えください。
図5

何らかの制限を設けている保護者に対しては、1日あたりに使ってよいと決めている時間(※制限がある全ての機器の、使ってもよい合計時間)を尋ねました。平日については、「1時間まで(42.4%)」が最も多く、回答から概算した平均は約1.5時間、休日については、「1時間まで(29.9%)」「2時間まで(28.1%)」が最も多く、概算した平均は約2.2時間でした。

<保護者調査>
Q.お子さまが使ってよい時間に制限を設けているものについて、使ってよい時間の合計時間に近いものをそれぞれお選びください。
※テレビ、パソコン、スマートフォン、携帯、タブレット、ゲーム機のいずれかについて、子どもの使用時間に制限を設けている人のみ回答
図6

加えて、何らかの制限を設けている保護者に対しては、制限を設けている理由も自由回答形式で質問しました。得られた回答を大きく分類して集計すると、「視力低下や睡眠不足など体調への不安(35.5%)」「いつまでも続けてきりがない(34.9%)」「勉強や他にやるべきことをやらなくなる(27.0%)」にあたる意見が特に多いという傾向が見られました。

以上から、最近の保護者は、特に子どもの「ゲーム」「スマート通信機器(スマートフォンやタブレット)」の使用に対して不安を感じており(制限を設ける傾向にあり)、その理由として、「身体への影響(視力低下や睡眠不足など)」と「依存(勉強などをしなくなることを含む)」を主に懸念しているという傾向が読み取れます。

教員に対しては、保護者とは質問の仕方が異なりますが、「インターネットやアプリ、ゲームで遊ぶ時間に(今よりも)制限が必要だと思うかどうか」を尋ね、結果は、「(今よりも)制限が必要だと思う」が全体の80.7%を占めました。

<教員調査>
Q.あなたが現在受け持たれている学年の児童たちには、インターネットやアプリ、ゲームで遊ぶ時間に対して制限が必要だと思いますか。
図7

制限が必要と回答した教員に対しては、その理由も自由回答形式で聴取しました。回答を大きく分類して集計すると、「いつまでも続けてきりがない(33.0%)」にあたる意見が特に多く、それ以外では「睡眠不足など生活リズムや体調への不安(15.6%)」「対人交流や外遊びをしてほしい(13.8%)」「勉強や他にやるべきことをしなくなる(12.6%)」「危険やトラブルに巻き込まれることへの不安(12.0%)」に該当する意見がそれぞれ1割を超えるという結果でした。

質問の内容が違うため単純比較はできませんが、メディア全般の使用に関する保護者の回答傾向と比べると、「身体への影響(視力低下など)」「勉強などやるべきことをやらなくなる」への集中が少ない代わりに、「友だちとの交流や外遊びの重視」「トラブルに巻き込まれることへの不安」に関する回答が多く見られる点が特徴的でした。

ここまでのアンケート結果を踏まえると、現在の子どものメディア接触状況について、大きく以下の傾向が読み取れます。

  • 子どもたちのメディア接触および"ことば"への影響については、相変わらず「テレビ」の存在感が圧倒的に大きい
  • 子どもたちの間で、「ゲーム(ゲーム機、アプリいずれも)」「インターネット動画」の存在感が大きくなってきており、「マンガ」「本」などの活字と同等か、それ以上の接触率・影響力になりつつある
  • 保護者と教員の間では、「ゲーム機」「スマート通信機器」の使用に対する懸念(身体への影響や依存)が特に強く、保護者の7割弱が何らか使用を制限しており、教員も約8割が制限が必要と考えている

次回は、「子どもの持っているネットワーク」についての分析をご紹介します。

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