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テーマ型調査
「みらリポ2017」

アンケート篇09
コラム:子どものこころ② こどもが将来なりたい大人像

2017/11/27 カテゴリ:
アンケート編

小学5・6年生の子どもたちは、将来、どんな大人になりたいと思っているのでしょうか?また、保護者や教員は、子どもたちにどんな大人になって欲しいと考えているのでしょうか?コラムの2回目は、「将来なりたい大人像」について、子ども視点と、保護者や教員の大人視点での比較をご報告します。

今回も、全国4都市(東京、大阪、青森、高知)の小学5・6年生800人と、保護者830名、教員207名に行ったアンケート結果をもとにした分析結果です。具体的には、「あなたは、将来どんな大人になりたいですか? 性格や見た目、しょく業、くらし方など、どのようなことでもよいので、できるだけくわしく教えてください」という質問について、いろいろ思い浮かべてもらい、自由に回答していただきました。

全体の過半数が「思いやりのある、優しい人」と回答

図1にみる通り、小学5・6年生は、男女ともに「思いやりのある、優しい、親切な大人」になりたいが第1位となっています。男子の19.8%、女子の31.5%がそのように答えており、全体の25.6%が「思いやりのある、優しい、親切な大人」になりたいという結果です。

<子ども調査>
Q.あなたは、将来(しょうらい)どんな大人(おとな)になりたいですか? 性格(せいかく)や見た目、しょく業、くらし方など、どのようなことでもよいので、できるだけくわしく教えてください。
図1

将来なりたい大人像の第2位以降は、男子、女子での違いが顕著にみえてきます。男子は、「サッカー選手/Jリーガー」(12.8%)、「プロ野球選手」(8.0%)とプロスポーツ選手が続き、今、自分が好きなもの・ことの延長線上に未来の大人像が繋がっていることが見て取れます。[参照:コラム:子どものこころ① 好きなこと、嫌いなこと] そして、男子の第4位には「お金持ち/お金に困らない」(6.0%)、第6位には「よい会社に入る、たくさん稼ぐ」(4.8%)が入り、小学5・6年生の男子の約1割は、収入や経済的自立を意識していることが分かります。

一方、女子の第2位は「結婚する、家族を持つ、子どもを産む」(9.3%)となっています。そして「人・社会の役に立つ/困っている人を助ける」(8.3%)と続き、第1位の「思いやりのある、優しい人」(31.5%)と合わせると、女子の約4割は、人の役に立つ、優しい大人になりたいと考えている様子がみえてきます。女子が将来なりたい具体的な職業名としては、第5位「保育士/幼稚園の先生」(7.3%)、「看護師/助産師」(6.5%)、「獣医/トリマー/動物に関わる仕事」(6.3%)、「デザイナー、ファッション関係」(5.0%)が上がります。自分と近い関わりのある職業が上位に並んでいるといえます。

もう一つ、将来どんな大人になりたいかといったときに、「イケメン/かっこいい、美人/きれい/かわいい」といった容姿に関することも上位(女子の7.3%、男子の3.8%)に上がりました。小学5・6年生となると女子のオシャレ感度が高まってきている様子が伺えます。

保護者の目でみた「将来子どもになって欲しい大人像」

それでは、保護者は、将来子どもにどんな大人になって欲しいと考えているのでしょうか?

<保護者調査>
Q.お子さまには将来どのような大人になってほしいと思いますか? 『お子さまに将来こんな大人になってほしい』という、あなたご自身の考えをできるだけ詳しくご記入ください。
図2

図2に見る通り、第1位は子どもと同様、「思いやりのある/やさしい」人(19.4%)であり、「自立した、自分の力で生きる」(9.9%)、「人に迷惑をかけない」(9.4%)と続きます。父親、母親の視点別にみると、第1位は「思いやりのある/優しい」で共通ながら、母親の方がより子どもたちに、「自立した」「自分の考えをもった」「やりたいこと、やりたい仕事につける」といった自立性・主体性を期待していることが伺えます。一方、父親視点では「人に迷惑をかけない」「人並み/平凡/普通」といったことを大切に考えている様子がみてとれます。

さらに、子どもが男子か女子かによって、保護者が将来子どもになってほしい大人像に違いがあるかをみていきましょう。

<保護者調査> Q.お子さまには将来どのような大人になってほしいと思いますか? 『お子さまに将来こんな大人になってほしい』という、あなたご自身の考えをできるだけ詳しくご記入ください。
図3

図3に見る通り、男子、女子によって大きな違いはありませんが、男子に対しては「人・社会の役に立つ、社会貢献できる」こと、女子に対しては「人の気持ち/痛みがわかる」ことを父親、母親ともにやや強く期待していることが分かります。

教員の目でみた「将来児童になってほしい大人像」

続いて、教員が子どもに望む大人像についてもみていきます。

<教員調査>
Q.あなたが受け持っているクラスの児童たちに、将来どのような大人になってほしいと思いますか。 『児童たちに将来こんな大人になってほしい』という、あなたご自身の考えをできるだけ詳しくご記入ください。
図4

教員は、子どもや保護者の視点とやや異なり、第1位は「自分で判断できる/考えられる、自主性のある」(10.6%)、続いて「自立した、自分の力で生きる」(10.1%)となっています。「思いやりのある/優しい」(7.7%)は第4位にランクインし、「人の気持ち/痛みがわかる」(6.8%)、「(他)人のことを考えられる/大切にできる」(4.3%)等とあわせ、「他者への理解・共感に関する項目も上位に上がります。教員の目からは、まずは自分自身で主体的に生きる力を身につけること、そして他者との共生力を重視しているといえそうです。

以上、今回は「将来なりたい大人像」を子ども、保護者、教員のそれぞれの視点でみてきました。三者とも共通して「思いやりのある/優しい」という声が強く、特に子どもは4人に1人がそのように答えています。また保護者、教員といった大人の目からは、「自立した、自分の力で生きる」という主体性を重視した回答が目立ちました。現在の社会経済環境を表す言葉として、VUCA時代(Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧))といわれていますが、こうした環境下にあって、自立性、他者との共生力はますます求められてくるといえるかもしれません。

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