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テーマ型調査
「みらリポ2017」

アンケート篇07
連載第5回「子どもと地域の、普段の関わりについて」

2017/10/31 カテゴリ:
アンケート編

前回の連載では、小学校と地域が関わる学びについて、主に子どもたちの視点に立った現状をご報告しました。本稿では、子どもたちが普段、地域とどのように関わっているのか、そして地域のことをどのように感じているのかをご紹介します。

子どもと地域の、普段の関わりの現状

今回のアンケート調査では、まず、あいさつや行事参加など、一般に想定される子どもと地域との関わりに関する項目の経験率を調べました。アンケートを実施した東京・大阪・青森・高知の小学5・6年生800名のみの状況となりますが、特に経験率が高かったのは、9割近くが回答した「近所の大人の顔を知っている(88.4%)」「近所の大人にあいさつをする(87.5%)」と、「地域行事(お祭りなど)に参加する(71.8%)」でした。より踏み込んだ関係性に関する項目の「近所の大人の名前を知っている(45.6%)」「近所の大人と話をする(39.9%)」については、その半分程度の経験率でした。

<子ども調査>
Q.あなたの住んでいるまちや、そのまわりの人についてお聞きします。あてはまるものに、それぞれひとつだけ○をつけてください。(あてはまる/ややあてはまる/あまりあてはまらない/あてはまらない)
図1

「東京+大阪」と「青森+高知」という限られたエリアではありますが、都市部と地方の間では傾向に違いが見られました。全体スコアで経験率の低い「近所の大人の名前を知っている(都市部52.8%/地方38.5%)」「近所の大人と話をする(都市部43.5%/地方36.3%)」について、都市部の子どもたちのスコアの方が、地方の子どもたちよりも高いという結果が得られました。「地域行事(お祭りなど)に参加する(都市部75.0%/地方68.5%)」についても、都市部の子どもたちの方が高いスコアでした。 この結果は、「都市部よりも地方の方が、人間関係が密ではないか」という、よくある印象とは逆をいくものです。マンション住まいなど住宅の近接度合いや地域行事の頻度などの影響も考えられるため、詳細を語るには更なるリサーチが必要でしょう。

<子ども調査>
Q.あなたの住んでいるまちや、そのまわりの人についてお聞きします。あてはまるものに、それぞれひとつだけ○をつけてください。(あてはまる/ややあてはまる/あまりあてはまらない/あてはまらない)
図2

同じ内容について、男女でも傾向に違いが見られました。全体スコアで経験率の低い「近所の大人の名前を知っている(女子51.0%/男子40.3%)」「近所の大人と話をする(女子43.0%/男子36.8%)」について、男子よりも女子の方がそれぞれ高いスコアでした。「地域行事(お祭りなど)に参加する(女子74.8%/男子68.8%)」についても、同様の傾向でした。 「ともに生きる力」に関する報告では、女子の方が男子よりも協調性が高いという傾向が見られましたが、近隣の大人との関わり方にも、その傾向が現れているということかもしれません。

地域に対する子どもの愛着

子どもたちの地域に対する愛着の度合いを知るために、今回のアンケートでは、「居住地域に対する好意度」と「居住地域に対する居住継続意向」を聴取しました。

<子ども調査>
Q.あなたは、今、住んでいるまちが好きですか?あてはまるものにひとつだけ○をつけてください。(○はひとつだけ))
図3

「好意度」については、「好き(66.1%)」「どちらかというと好き(25.5%)」で、合わせて91.6%の子どもたちが、今住んでいる地域が好きと感じているという結果が得られました。この結果は、「東京+大阪」と「青森+高知」という限られたエリアにはなりますが、都市部と地方の間でスコアに差は見られませんでした。(※グラフは記載していませんが、男女間でも差は見られませんでした)

<子ども調査>
Q.今住んでいるまちやその近くに、大人になってからもずっと住みたいと思いますか?あてはまるものにひとつだけ○をつけてください。(○はひとつだけ)
図4

「居住継続意向」については、「住みたい(36.9%)」「やや住みたい(40.4%)」で、合わせて77.3%の子どもたちが、今住んでいる地域に住み続けたいと感じているという結果が得られました。都市部と地方のスコアを比較してみると、「住みたい」「やや住みたい」を合わせた「住みたい計(都市部76.3%/地方78.3%)」は同程度でしたが、「住みたい(都市部33.8%/地方40.0%)」と断言する子どもは地方の方に多いという結果でした。

「居住地域への好意度」については、その理由を自由回答でもたずねています。「好き・どちらかというと好き(計91.6%)」の理由を分類してみると、「友だち関連(多い、優しい、遊べるなど)(28.4%)」、「地域の人関連(優しい、あいさつ、助け合いなど)(20.2%)」と、人間関係に起因する理由が多く挙げられていました。前項で見た地域との関わりの度合いは、子どもの地域への愛着に影響を与えていると言えそうです。

地域に対する保護者の愛着

子どもの地域に対する愛着には、都市部と地方で差が見られませんでしたが、保護者の間では違った傾向が見られました。(※保護者への調査は、子ども調査の対象エリアと近い東京・大阪・東北・四国で実施したもので、対象者は、子ども調査に回答した子どもの保護者とは異なります)

<子ども調査>
Q.あなたは、今、住んでいるまちが好きですか?あてはまるものにひとつだけ○をつけてください。(○はひとつだけ)
<保護者調査>
Q.あなたは、ご自分が住んでいる地域のことがお好きですか。最も近いものをひとつお選びください。
図5

まず「好意度」について、子どもは全体の66.1%が「好き」、25.5%が「どちらかというと好き」と回答したのに対して、保護者は全体の25.9%が「好き」、59.4%が「どちらかというと好き」という回答で、「好き計(子ども91.6%/保護者85.3%)」に加えて、その内訳も異なりました。

続いて、保護者の都市部と地方の結果を比較すると、「好き(都市部29.8%/地方22.0%)」と明確に答える人の開きが特に大きく、「好き計(都市部90.6%/地方80.0%)」に10.6ポイントの差が出るという結果でした。

<子ども調査>
Q.今住んでいるまちやその近くに、大人になってからもずっと住みたいと思いますか?あてはまるものにひとつだけ○をつけてください。(○はひとつだけ)
<保護者調査>
Q.あなたは、これからもずっと現在お住まいの地域に住み続けたいと思われますか。最も近いものをひとつお選びください。
図6

「居住継続意向」については、「住みたい計(子ども77.3%/保護者82.2%)」だけを見ると、保護者の方がやや居住継続意向が高いのですが、保護者の都市部と地方の結果を比較すると、「住みたい計(都市部87.5%/地方77.1%)」となり、好意度と同様に約10ポイントの差が出る結果となりました。

子どもは地方の方がやや居住継続意向が高い傾向が見られるのに対して、大人は都市部の方が明確に居住継続意向が高いというこれらの結果は、成長して知っている世界が広がるにつれ、地域に対する感じ方や評価の観点が変化していくということの表れなのかもしれません。

前回と今回のリポートでは、「小学校と地域の関わり」および「子どもの、普段の地域との関わり」の概況をご紹介しました。次回はもう少し踏み込んで、「小学校と地域との関わりが増えると、子どもや(保護者を含む)地域にどのような影響を与えるのか?」について、アンケート結果に基づいた分析をご報告します。

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